#011 リスニングを勉強する

英語習得の方法・道のりを、私自身の学習経験をベースに時系列で書いています。今回は第11回 #011 リスニングを勉強する話です。

また「今だったらこの方法を取り入れるべき」や「この方法はおススメしない」など、今の自分の経験や知識を得てして言える事を、第二言語取得論や言語学の研究成果等に言及しつつ、補足事項として記載していきます。


TOEFLの為の英語学習を開始した私リーディングと文法をメインに「勉強」していました 。
この理由は、他の技能 (スピーキング、リスニング、ライティング)の勉強の方法が全く分からなかったからです。後回しにしてました。逃げてました。

当時、リスニングに関しては「英語を聴く」という行為は日々の中でなるべく沢山するようにしていました。聴く方法は「流し聴き」と「じっくり聴き」でした。

「流し聴き」は「ながら作業」で何か他の作業をしながら、または寝ながらなど、聴き取れる、聴き取れないはあまり気にせずに聞き流していてました。それでも、「今の単語聴きとれた」や「今の文の意味は理解できた」などは所々、感じながら聴きました。
「耳が慣れて、急に全部聞けるようになってくれ」と願ってました。

「じっくり聴き」は映画を見ながら、台詞 1文を聴く度に映画を一時停止して、一語一句聴き取れているか確認しました。これは、骨が折れる作業でした。まず英語字幕と日本語字幕の両方があるDVDを使わないといけないですし、知らない単語があれば一々辞書で調べます。また文法が理由で理解出来なかったのか、知らない単語があったからなのか、知ってる単語でも聴き取れてなかったのか、などを特定する作業をしていました。

この2パターンしかリスニングの勉強方法を知らなかった私は、TOEFLのリスニング教材を使って、この方法でリスニング学習に挑みました。
結果は、ストレスと絶望でした。

理由は、主に下記です。

  • ・題材が長い (3~5分)
  • ・アカデミックな内容(知らない専門用語多い、話題自体に知識無い)
  • ・本番は、1回しか音声が流れない

 

このような状況で、何か得策は無いかと色々と英語教育雑誌を読みあっていると、シャドーイングディクテーションというリスニングテクニックに遭遇しました。

このテクニックは、両方とも (特にシャドーイング)はしんどかったです。また、リスニングの際の心構えとして、「文全体を聴こうとする意識」と「文頭を聴こうとする意識」なども情報として知りました。

また海外映画やラジオに比べると、TOEFLリスニングの発話スピードは遅いので、映画などを見聞きして早い速度に慣れる努力をしていた事も、良かったかもしれません。

ただ、リスニングに関しては結局、「上達した!」という実感を感じた事がほぼ無いような気がします。


いまならどうする?

リスニング力は、多聴を通して徐々に鍛えられ発達していく能力である、という事を理解しておけば、少し気が楽だったと思います。(文法ルールを理解・納得した時の達成感などがリスニング学習では無かったので、不安でした)。

また音素記号 (英語で使われる音 全44音を可視化した記号)の存在にもっと早く注目して、正しい発音の仕方を舌や口の動きなど、テクニカルな部分で理解・練習できていれば良かったです。何故なら、聴き取れない音でも、正しく発音する事は出来るからです。そして、自分で正しく発音出来る音は、聴き取れるようになる、という理論もあります。

そして矛盾するようですが、日本人として日本で生まれ育った以上、ずっと聴き取れない音、というのも存在する可能性があります。(私は今でも”L”と”R”の違いが耳では分かりません) 長い年月をかけて徐々に違いを聞き分けれる人もいますが、私の様に出来ない人もいます。
(ちなみにLとRの発音が聴き取れない事が理由で、コミュニケーションに困った事は、多分一度も無いと思います。文脈や状況から分かります。)

上記のような事を理解した上で、地道に焦ることなく、シャドーイングやディクテーションを沢山行っていく方法が、良いのではないかと思います。
リスニングに関しては、「発音 発話練習」と一緒に勉強すると効果的だと思います。

また、「独自学習」からは逸れてしまいますが、ある程度の英語力がある状態で海外ホームステイや多国籍の留学学校に行くと、リスニング力はかなり上がると思います。