#019 英語取得までの道のり ~ 身の回りの物を英語で言える重要性~

英語習得の方法・道のりを、私自身の学習経験をベースに書いています。
今回は第19回 #019 身の回りの物を英語で言える重要性に気付いた話です。

「今、回想して考える事」や「今だったらこうする」など、今の自分の経験や知識を得てして言える事を、第二言語取得論や言語学の研究成果等に言及しつつ、補足事項として記載する場合もあります。


イギリス大学院に入学し、イギリスで学生生活を開始して最初の3ヵ月くらい、私は現代版 二宮金次郎になりました。

これまでの英語学習は机上で行う英語学習がメインでした。
当たり前ですが、イギリスで学生として生活する以上、生身の人間と英語で会話をする機会が増えます。

というより、意志疎通を含むすべての生活活動を、英語でしないといけない状況になりました。

家から一歩出ると、意味の分からない表札やサインに沢山遭遇します。

私の英語学習の元々の目的は、「ネイティブみたいになる」でした。
ですので、日常生活で知らない英語が沢山あるという状況は、ダメだなと思いました。

ですので、生活の中で出くわす知らない単語を全部理解出来るようにする作業をしました。

電子辞書を常に携帯しました。

“Pedestrians Only (歩行者のみ)” や “Diversion (迂回路)” などの単語も、この時期にキャンパスを歩きながら学びました。

友人と出かける時にも電子辞書を持って行きました。ナイトクラブにまで持って行った事があります。
そのお陰でイギリス英語で「トイレ」の事を “Loo”と呼ぶ場合がある事も分かりました。

友人からは、日本のハイテクな携帯電話を持ち歩いていると、時々思われたりもしました。


今考える事

・自分に必要な英語を特定して、学ぶ

大学院入学前は、大学に入学する為の英語が必要で、その勉強をしました。実際にイギリスで生活をするとなると、生活で使う英語が必要になります。
大学院入学レベルの英語力が身に付いたからといって、
急に⇓コレ⇓とか、

⇓コレ⇓の名前が分かるようになる事はありませんでした。

※正解

写真上: Rain Gutter 軒樋 (カナダなどだとeavestroughと呼ばれる)
写真下: Down Spout 縦樋 (Water spout / DownpipeなどもOK)

雨と雪が多いイギリスでは、同じ寮の棟に住む学生と「俺の部屋の近くの縦樋が詰まってる」とか「雪で軒樋が壊れたぞ」なんて話が日常で発生しました。
自分に自問自答して、どのような英語、英語スキルが足りていないなどを考える必要があると思いました。私の場合、生活環境で目にする物事の英語でした。そしてこれはまさに、日常会話英語です。

・物事を説明・描写する癖を付ける

英語での会話は日本語での会話に比べて、物事をしっかり描写・説明する傾向が強いと感じました。またこれは、英語文化と日本語文化の違いでも説明されています。
日本文化は、High Context Cultureと呼ばれ、「言わなくても分かる」、「阿吽の呼吸」といった言葉にも表されるように、文脈や状況、聴き手と話し手の関係性などで、言葉通りの意味以上の事を相手に伝えれがちです。「察してくれよ」というのも正に、言葉足らずでも文脈や状況的に考えて分かるだろ?というHigh Context Cultureの傾向です。

西洋文化は、Low context cultureと呼ばれ、文脈や状況、聴き手と話し手の関係性などに余り影響されず、言った分だけが、相手に伝わりがちな文化です。逆に言うと「言わなきゃ分かんないよ」というスタンスです。イギリスもアメリカも、歴史的に異文化間との交流が多くあった為、相手に期待せずにしっかり説明しないと伝わらない、という環境だった事も影響していると言われます。

ですので、英語を話す時は面倒くさがらずに説明・描写する事がコミュニケーション力を上げるコツです。そして、物の名前を英語で沢山知っている方が、有利です。

・人は名詞で詰まりやすい

「人が話で詰まる場合、名詞単語で詰まる可能性が一番高い」という研究結果が存在します。動詞とかよりも、名詞が出てきにくいようです。日本語でも「あの、あれ、あのやつ」など言ってしまいがちですが、名詞を意識して話すと、上手に話せる可能性が高まるかも知れません。


二宮金次郎は、学校の校庭の隅にある銅像で、冬に少年少女が雪のボールを投げつける的、として記憶していましたが、今はとてもリスペクトします。彼が何の本を読んでいたのか、気になるところです。