#012 スピ―キングを勉強する

英語習得の方法・道のりを、私自身の学習経験をベースに時系列で書いています。
今回は第12回 #012 スピーキングを勉強する話です。

また「今だったらこの方法を取り入れるべき」や「この方法はおススメしない」など、今の自分の経験や知識を得て言える事を、第二言語取得論や言語学の研究成果等に言及しつつ、補足事項として記載していきます。


TOEFLの為の英語学習を開始した私は、本格的にスピーキングを学習しないといけなくなりました。
TOEFL学習をする前の私は、特にスピーキングの学習をしていませんでした。
理由は、リスニング学習を特にしていなかった理由と同じです。

当時、スピーキングの為にやっていた事と言えば、下記です。

  • ・映画などのセリフを真似してみる
  • ・「これ英語でなんて言うんだろう」と思った事を、辞書などを使って頭の中で英作する
  • ・「こういう状況で、自分なら何て言いたいだろう」とイメージして、頭の中で英作してみる

 

TOEFL対策のスピーキング学習

まずは、TOEFL スピーキング対策用の参考書を用いて学習を開始しました。スピーキングに関しても、リスニング同様 絶望感を感じました。
理由は主に、下記です。

  • ・自分の意見が無い
  • ・咄嗟に意見が組立てれない(考える時間は15秒)
  • ・しどろもどろになって、自分の発話に全くまとまりがない
  • ・発話時間が持たない (話す時間は1分間)
  • ・単語が咄嗟に出てこない

 

上記の中でも一番の悩みは、「自分の意見が無い」という事実でした。これは、英語力以前の問題だと感じました。

しかし、TOEFL対策本に大変有益な内容が記載されていたのを覚えています。

「自分の本当の意見じゃなくても良い」

 

という事です。
考えると当たり前な事ですが、TOEFLスピーキングの採点に「本当か嘘か」は関係ありません。
全体としてまとまっていて、理由付けなどがシッカリしていれば、自分の本当の意見じゃなくても良いのです。

その事実を理解した時、結構 気が楽になりました。回答例は参考書にも沢山載っており、使えそうな表現や言い回しなとが多くありました。
それらを丸暗記に近いレベルで覚える努力をしました。

なお、TOEFLスピーキングに関して少し安心した点は、推奨された文構成が存在する、という事です。それは主に下記のような構成でした。

1. 自分の意見(結論)の表明 (賛成・反対、好き・嫌い、など)
2. その理由 2,3個 (自分の経験や知識、情報の引用、など)
3. まとめ(自分の意見(結論)の再表明と理由の要約)

この構成は自分にとって、大失敗を避ける為の道しるべのような働きをしました。

また本番のテストでは、何を言うかを考えて整理する時間は15秒しかないので、最初に頭に思い浮かんだ考え・意見を即座に採用し、それをサポートするそれらしい理由を考えて並べる、という方法を取り、日々の学習でもそれを意識して対策に取り組みました。

また、シャドーイングはリスニングだけでなくスピーキングにも効果的なトレーニングなので、積極的に取り組みました。


今ならどうする

TOEFLのスピーキングテストで高得点を取る、という目的の場合、やはり実際のテストで出題されるような問題を沢山解く事が、一番効率的だと思います。
最初の内は時間制限を設けずに取り組み、慣れてきたら時間を図りながら取り組むと良いでしょう。扱う資料は回答例が有るものを選び、それをしっかり見聴きして、知らない単語や表現、言い回しがあれば意味を調べ、復習できるように単語帳に書き留め、内容を理解した上で、何度も丸暗記するレベルで繰り返し復唱すると良いです。

またTOEFLスピーキングで求められる「意見を言う」スキルと「推奨されている文構成」は、まさに英語でのコミュニケーションのフォーマットです。日常のコミュニケーションにも必要なスキルです。
これはTOEFLを学んでいた当時リアルタイムでは感じませんでしたが、イギリス大学院時代に強く感じました。

参照⇓
英語で上手くコミニュケーション出来ない理由とは?

更に言うと、「言語」は物事の見方や認知の仕方、思考パターンやロジックにも影響すると言われます。大袈裟に言いうと、新しい言語をネイティブレベルで習得した人は「その言語を通した新しい物の見方や認知の仕方、思考やロジックが備わる事になります。
それ故に、「自分の考えがあって、それを言葉で表現する」という順番もありますが「外国語で吸収した内容、自分が表現した内容が、自分の意見を言う時に活きてくる(Internalize)」という事もあると言われます。

ですので、言語習得目的で回答例を含め人の真似を沢山する事は、英語力向上にも効果的です。

そして、「私ならこの状況で何て言いたいだろう」というイメージトレーニングは、今でも日常的にやっています。今では、実際に従業員に伝えないといけない内容が具体的にある場合などで、一旦自分の頭の中で言ってみてから、実際に直接言う事があります。交渉や商談など、失敗したくない時などは、文字に書き起こしたりもします。


スピーキングとライティングは、自分から発信するスキルです。「これが出来るようになったら完了、終了」という次元のスキルではありません。日本語でも「話が上手な人」、「話が下手な人」や「分かり易い話し方が出来る人」、「話が分かりにくい人」などいるのと同じように、英語でも一緒です。「どんな英語話者になりたいか」のイメージを具体化し、意識的に理想の英語話者を目指して、日々精進していく必要があると思います。