海外に英語留学をする利点は、本当に沢山あると思います。
- 集中的な英語学習
- 授業以外でも英語漬けの生活
- 異文化体験
- 他の生徒との異文化交流
英語力UPに留まらず、 自分の見識を広げる「経験」としての価値自体 高いはずです。
そんな中、
今回は英語学習の観点から考えた、海外 英語留学だからこそ効率よく学べる英語、について解説したいと思います。
英語の「何」を具体的に学んでいるのか?
「英語を勉強する」と言った時、我々は具体的に「英語の何」を学んでいるのでしょうか?
これは、大きく分けて4つの分野に分類されます。
なので、「英語を勉強している」と言った時、あなたは下記の4つのいずれか(または複数)の英語の側面に触れています。
1. 音韻論 (発音)
英語を話す為、聴いて理解する為には、英語に存在する音を正しく発音出来ないといけないですし、英語の発音を聴き取って意味を理解できないといけません。音韻論はこの英語の音声にフォーカスをあてた分野です。
(※First Classの発音強化コースでは、この英語の音声にフォーカスを当てた学習が可能です)
2. 統語論
これは、語順のルールや文法の事です。その単語を正しい形で正しい順番に並べる事によって、正しい文章として意味が伝わります。 英単語を知っていても、正しく並べられないと、意味が伝わりません。
英単語が食材なら、語順のルールはその食材をどうやって使うかのレシピになります。
First Classでも、統語論は英語力の基盤構築の重要な要素と考えています。
(※First Classの文法強化コースでは、英語の語順のルールの理解と特訓を行って、この学習をして頂けます。)
3. 意味論
単語が正しい形で正しい順番で並んでいると、統語論的には「正しい文章」なのですが、それでも「意味が分からない、意味が無い」文章が存在します。
この違いに関する有名な例として、下記の文があります。
Colorless green ideas sleep furiously.
英語ネイティブや、英語をそれなりに勉強している人だと、この文章が文法的に正しい事が分かると思います。
文構造化は、主語 + 動詞 + 副詞のシンプルな構成です。
主語 colorless green idea
動詞 sleep
副詞 furiously
しかし、日本語に訳すと
「無色で緑の考えが激情して寝むる」
となります。
colorless(無色)とgreen(緑)は矛盾しています。
またidea(考え)に色はありません。
そしてideaはsleep(寝る)事も起きる事もありません。
最後に、人はfuriously(激情)して寝むりません。
即ち、意味が分からない文章です。
これは、文法的(統語論的)に間違っていなくても、意味論的には間違っている文章の例となります。
この点で、意味論は統語論と対置して考えられる分野です。「意味」にフォーカスを当てて英語を考える分野です。
4. 語用論
文法的にも正しくて、意味的にも理解できる文章が、その意味とは少し違った機能を持って使われる文章があります。
簡単な例を上げると、
Can you open the window?
という文章は直訳すると、
「あなたは窓を開ける能力がありますか?」
という意味になりますが、これを真に受けて
「はい。開ける能力はありますよ」と言ってしまうと、話がかみ合いません。
なぜなら発話者が意図していることは、
「窓を開けてくれませんか?」
というお願いをしているからです。
これが、語用論です。「その英語が何を意図し、どのような機能で実生活の中で人同士の間で使われるか」という分野です。
英語留学だからこそ学べる英語はズバリ 用語的な英語!!
用語論は、「ある英語の表現が、何を意図して、どのような機能で日常的に使われるか」という事ですが、これを効率的かつ多量に学べるのか、英語留学なのです!
なぜなら、実際に英語を使って生活している英語話者の人と会話したり、話を聴いたりして、日常生活の中で実際に体験する事がこの用語的な英語理解を高める為にとても大切なことだからです。
用語的な英語にまつわる私の失敗
“What’s wrong?” vs “What’s wrong with you?”
私がイギリスに留学していた頃、泣いている友人がいたので慰めようと思い、
“What’s wrong with you?”
と言ったら、
「What!? Leave me alone!」(何よ!?ほっといてよ!)
と言われたことがあります。
“What’s wrong?”は直訳で「何か悪い?」ですが、「どうしたの?/大丈夫?」というニュアンスで、相手を気遣う表現として使われます。
“What’s wrong with you?”は直訳で「あなたの何か悪い?」なので、
同様に「あなた、大丈夫?」という意味だと思って当時の私は使いました。
しかしこれは、
「あんた正気?(気でも狂ったの?)」
という、相手の言動や人格を疑う時などに使うわれる表現だったのです!
これは、大学院に入学出来る程の英語力が既にあった私が体験した話です。
他にも、“Are you alright?”という表現はアメリカ英語だと、病み上がりの人などに対して「大丈夫?」と言うニュアンスで、相手の事を結構心配していて割と心配度が高いニュアンスですが、イギリス英語だとこの表現は「元気?」というかなり軽い挨拶として使われます。
同じ表現でも、国や地域などでニュアンスや意味合いが違ったりします。
これらは、それぞれの単語の意味や文法を理解していても、分からない領域です。その為、日本の文法教材や参考書で学ぶのも難しい領域なのです。
そしてこのような表現は、英語圏の日常生活の中に沢山転がっています。
海外生活の中で体験して学べる英語
以上のように、用語的な英語は文法や単語を学ぶだけでは理解できない領域です。勿論、海外ドラマや映画からも学ぶ事は可能だと思います。
しかし、発話者の表情や言い方、その発言がされる前後の文脈や状況などを観察して、ニュアンスや意味合いが感じ取れる事だと思います
その為、実際に英語が話さられる環境に身を置いて、実際に体で体験する事が、最も効率の良い用語的英語の習得方法だと思います。
そしてそれが、英語留学だからこそ学べる英語だと考えます。
(※First Classのレッスンには用語的な英語にフォーカスを当てた科目があります)