英語習得の方法・道のりを、私自身の学習経験をベースに書いています。
今回は第21回 #021英語の何を勉強しているのか認識する話です。
第二言語取得論や言語学の研究成果等に言及しつつ、補足事項として記載する場合もあります。
イギリスの大学院で修業していた学部には、言語学を扱った授業も多くありました。その内容の中には「英語を効率的に習得する為のカギなんじゃないかな」と、気付かされるような内容が多くありました。
今回は、「統語論」と「語用論」について説明します。
英語の勉強って、何?
「英語を勉強する」と言った時、英語の「何」を勉強してるのでしょうか?
単語、文法、発音、スピーキング、など、色々とありますが、言語学では、その言語を使いこなす為に必要な機能によって、カテゴリー分けをしていました。
そのカテゴリーは4つあります。
私はその4つの存在を認識した時、「英語の勉強を始めた当初に知ってたら、もっと勉強が楽だったんじゃないかな」と思いました。
中でも、「統語論」と「用語論」の存在には、「成程!そうだよねーーー」と強く納得しました。
統語論とは?
単語の並び・語順のルールについてです。単語を正しい形で、正しい順番に並べる事によって、意味が伝る文章になりま。 英単語を知っていても、正しく並べられないと、意味が伝わりません。
統語論的に言語を理解していると、
例えば電波が悪くて物凄い音が途切れるラジオから、
「昨晩。。。。広島。。。震度。。。。100世帯。。。。。。」という単語が聞こえてきたとします。
するとあなたは「昨晩広島で震度いくらかの地震が発生して、100世帯が避難か壊れのかな?」と想像できるのではないでしょうか?
これは、日本語の語順を理解・認知しているから可能なのです。
語順を理解していると、文の全体像がイメージしやすく、文中のどこに、どんなタイプの単語が入るかを想像できます。
語用論とは?
表現や単語が、どのような機能・意図で使われるか、についてです。全ての文章が、必ずしも直訳的な意味で使われる訳ではありません。
例えば、
Can you open the window?
という文章は直訳すると、
「あなたは窓を開ける能力がありますか?」
という意味になりますが、これを真に受けて
「はい。開ける能力はありますよ」と言ってしまうと、話がかみ合いません。
なぜなら発話者が意図していることは、
「窓を開けてくれませんか?」
というお願いをしているからです。
これが、語用論です。「その英語が何を意図し、どのような機能で実生活の中で人同士の間で使われるか」という分野です。
昔 私は、”What’s wrong with you?”という表現を直訳的に従えて「あなたは何か問題ですか?」から、「大丈夫ですか?」的な相手を気使う表現だと推測して使っていた時期があります。
しかしこの表現は「お前はどうかしてんのか?」という好戦的な表現でした。
統語論的には理解していたけと、語用論的には理解していなかった例です。
私は、英語学習を開始した当初は文法を中心に学んでいましたが、洋画なども沢山見ていました。洋画の英語字幕を見ていると、文法の語順的には理解出来ても、どういう意味合いで使われているのかが分からない事が沢山ありました。
そんな時はイライラする事もありました。
「統語論的には分かるけど、語用論的には分からないんだな」と思えるだけでも、かなり気が楽になっていたかもしれません。
日本にいると、語用論を学ぶのが難しい傾向にあると思います。
語用論的にどういう意味合いで表現が使われるのか、を学ぶには もちろん人から教えてもらう方法もありますが、それ以外だと実際に使っている人や状況に居合わせる、体験する必要があります。その人の表情だった文脈から、表現の意味合いを体感する事が出来ます。
そう考えると、
先生に英語を教えてもらい、
学校外でも英語を沢山摂取して、
英語漬けの毎日をおくれてる語学留学は、
英語を語用論から学ぶのに最適な環境かと思います。