こんにちわ。アドバイザーのYUKIです。
近年フィリピン留学に興味を持つ人がふえています。
日本からも比較的近い東南アジア圏で、物価も安く、南国リゾートを楽しみながら英語学習ができるなど、日本人にとって気軽に行ける留学先として大変人気があります。
そもそもフィリピン人はなぜ英語を話せるのかという疑問が出てきます。
そこで、本日はフィリピン人がなぜ英語を流暢に話すことができるのか、歴史や文化的な背景などを踏まえてお伝えします!
◼英語を話すようになった歴史的背景
そもそもなぜフィリピン人はフィリピン語だけではなく英語も話せるようになったのでしょうか?
フィリピンの英語の歴史は植民地時代の影響が大きく関係しています。
フィリピン語の基本となるのはタガログ語ですが、単語やボキャブラリーはスペイン語と共通するものが多くあります。
それは300年以上もの間、スペイン植民地支配下の影響を受けていたことがよくわかります。
その後、アメリカ植民地時代の1900年代前半にアメリカは1000人の英語講師をフィリピンに派遣し、1930年代には英語能力を有する人の人口が国民の30%を超えたと言われています。
このように、植民地時代にスペイン語・英語と、言語政策によって振り回されてきたフィリピンですが、独立後の1974年に教育省令25号によってフィリピン語と英語による二言語併用教育政策が発表されたことから、フィリピンでは英語が広く使われるようになりました。
フィリピンの歴史についてはこちらをどうぞ→留学前に知っておきたいセブ島の歴史について
◼フィリピンの公用語は英語です
今やアメリカ・イギリスに続き世界で3番目に英語を話す人口が多い国とも言われているフィリピン。
とはいっても、フィリピンには国語であるフィリピン語(タガログ語を基礎とする)の他に、なんと172種類の言語が存在するんです。
フィリピンには約7000もの島があり、それぞれの地域で独自の言語が発達したのです。
それぞれの島々で話されている言語は、同じ国に居ながら意思疎通ができないほどの違いがありました。
このような状況では意思疎通のため、国家統一のために共通言語は欠かせません。公用語は英語とフィリピン語が定められており、学校教育においてもこの2つの言語を使いこなせるよう訓練されます。
◼フィリピン人の徹底した英語教育
植民地時代が終わり、フィリピンでは英語が公用語として制定されました。
小学校のうちから徹底した英語教育が行われ、公立学校では、高学年になると数学や理科など主要な教科の授業が「英語のみ」で進められます。そのため、教科によっては英語を理解していなければ、問題を解くことすらできないようになっているのです。
更に学年が上がり、高校、大学になれば英語の比重はさらに大きくなり、大学の授業ではネイティブ並みの英語力が求められます。そして、英語が話せれば企業への就職、海外での仕事、英語の先生、コールセンターなど、様々な仕事の選択肢があります。半面、英語が話せなければ、低賃金の仕事にしか付くことができません。
◼フィリピン人が英語を勉強しなければならない理由
フィリピンは英語大国第3位と言われており、街中には英語の看板で溢れ、映画館に行けば大人も子供もアメリカ映画を字幕なしで見ています。
また地域差もありますが校内にいる時は英語を話すことが義務付けられている学校が多く、英語教育に熱心な国です。
では、なぜこんなにも熱心に英語を勉強しなければならないのでしょうか?
・海外への出稼ぎ労働者が多い
フィリピン政府は海外労働を奨励しており、香港やシンガポール、サウジアラビアといった国に出稼ぎに行く人が多くいます。
国外でも仕事のチャンスを掴むための手段として英語が幅広く話されているのです。
・英語の情報量の方が格段に多い
フィリピンでは街中の看板や広告、選挙ポスターなど、目に入るものがほとんど英語で表記されています。また、映画館で上映される映画は、自国の母語での吹き替え、字幕なしなものばかり。
英語が分からないと娯楽も楽しめない環境なのです。
・フィリピン国内での言語対立の影響
フィリピン語(タガログベース)に対して、フィリピン国内で最も話者の多いセブアノ語話者からの反発が強く、セブアノ話者はあまりタガログ語を話したがらないので、英語の方が得意だそうです。
このように、フィリピンの歴史的背景や植民地時代の影響を受けた上で、独自のフィリピン英語が作られてきました。
留学生のみなさんも、フィリピン留学を通して、英語習得だけでなく、英語学習に対する目的意識や必死に努力する姿勢、熱心に取り組むことなど、多くのことをフィリピン人から学ぶことができるでしょう。