IFを使った仮定法を解説

「If~」を用いた仮定法は、中学・高校の英語の授業でも取り上げられますが、
イマイチ ちゃんと理解出来ていない、という方が多くいる印象です。

仮定法にはパターンが何パターンかあり、それがごちゃ混ぜになってしまうようです。

この主な原因として、下記のような理由があると感じています。

(1) 日本の英語教育では文法的に正しいとされるオフィシャルなIF用法にしか触れておらず、ネイティブスピーカーが日常的に使うオフィシャルじゃないIF用法に触れていない

(2) 日本語に訳して仮定法を考えた時、現在なのか過去なのか分からなくなる

今回は、IFのオフィシャルな正しい用法のルールを例文を用いて紹介しつつ、リしつつ、オフィシャルではないがネイティブが日常で使うIF用法を紹介します。


仮定法基本ルール

中学の英語の授業で学ぶような仮定法のルールを簡単に説明すると、

(1) 仮定法を用いた文章内の時制は、時制を過去にする。If節内の時制は過去形にし、その後の節には「would」を使います。例: I go to school . I study. (私は学校に行きます。勉強します)
=If I went to school, I would study. (もし学校に行ったら、勉強するだろう)

(2) Be動詞が「If~,」の節中にある場合、主語に関係なく「were」になります。例: I am rich. I  will not work. (私は金持ちだ。働かないでおこう)= If I were rich, I would not work. (もし金持ちだったら働かないだろう)

仮定法の時制がイビツなのは、「時間軸と関係ない架空(仮定)の話をしている」というシグナルを文法で表現する為に、過去の時制にしていると考えると良いと思います。


IF仮定法のパターン

上記の仮定法の基本リールを基に、仮定法は進行形と組み合わして使われます。
大まかに分けると、下記の4パターンの見た目があります。

(1) もし~だったら、~だろう(でしょう)」
(もし僕が君だったら、そんなことしないだろうね)
[If節内も、後に続く節も仮定法 現在形]

(2)「もし~だったら、~しているでしょう」
(もし俺が金持ちだったら働いていないでしょうね)
[If節内は仮定法現在形、後に続く節は仮定法 進行形]

(3)「もし~していたら、~だろう(でしょう)」
(もしあいつがここに座っていたら、殴るだろうね)
[If節内は仮定法進行形、後に続く節は仮定法 現在形]

(4)「もし~していたら、~しているでしょう」
(もし今、映画館で映画を見ているとしたら、ポップコーンを食べているだろうね)
[If節内も後に続く節も仮定法 進行形]


上記に表記した4パターンの例文に対応した、実際の英文を見てみましょう。

(1) If I were you, I wouldn’t do that.
(もし僕が君だったら、そんなことしないだろうね)
[If節内も、後に続く節も仮定法 現在形]

(2) If I were rich, I wouldn’t be working.
(もし俺が金持ちだったら、働いてないでしょうね)
[If節内は仮定法現在形、後に続く節は仮定法 進行形]

(3) If he were sitting here, I would punch him.
(もしあいつがここに座っていたら、殴るだろうね)
[If節内は仮定法進行形、後に続く節は仮定法 現在形]

(4) If I were watching a movie at a cinema right now, I would be eating popcorn.
(もし今、映画館で映画を見ているとしたら、ポップコーンを食べているだろうね)[If節内も後に続く節も仮定法 進行形]

仮定の話自体、現実では起きない、または、まだ起こっていない話なので、現在・未来などの時間軸とは関係のない次元の話であると言えます。しかし進行形と組み合わせて使うか使わないかで、若干のニュアンスの違いを演出できます。


過去を回想した仮定法のパターン(過去仮定法)

「あの時~してたら、~だっただろうな」という、過去の事を回想した仮定法もあります。その為、上記に示した4パターンの、過去の出来事を振り返ったバージョンが存在します。

(1) 「もし~だったら、~だっただろう(でしたでしょう)」
(もし僕が君だったら、そんなことしなかっただろうね)
[If節内も、後に続く節も仮定法 過去形]

(2) 「もし~だったら、~していたでしょう」
(もし俺が金持ちだったら、働いていなかったでしょうね)
[If節内は仮定法過去形、後に続く節は仮定法 過去進行形]

(3) 「もし~していたら、~だっただろう(でしたでしょう)」
(もしあいつがここに座っていたら、殴ってただろうね)
[If節内は仮定法 過去進行形、後に続く節は仮定法 過去形]

(4) 「もし~していたら、~していたでしょう」
(もし[あの時]映画館で映画を見ていたら、ポップコーンを食べてただろうね)
[If節内も後に続く節も仮定法 過去進行形]


    • 上記に表記した4パターンの例文に対応した、実際の英文を見てみましょう。

(1) If I had been you, I wouldn’t have done that.
(もし僕が君だったら、そんなことしなかっただろうね)

(2) If I had been rich, I wouldn’t have been working.
(もし俺が金持ちだったら、働いていなかったでしょうね)

(3) If he had been sitting here, I would have punched him.
(もしあいつがここに座っていたら、殴ってただろうね)

(4) If I had been watching a movie at a cinema, I would have been eating pop corn.
(もし[あの時]映画館で映画を見ていたら、ポップコーンを食べてただろうね)


上記の例のように、普通の仮定法と、過去を振り返った仮定法が存在します。

そして上記で紹介した例文の日本語訳を見ても分かる通り、
その話が過去を回想した仮定の話でも、そうでなくても、「もし~、」の部分の訳は、日本語に訳すと一緒になっています。

これが、仮定法をややこしくする原因の1つです。

日本語だと表現が一緒になっても、英語だと「もし~、」の部分も、表現(時制)が変わります


オフィシャルじゃない仮定法のパターン

これまでに紹介した仮定法のパターンが、日本の英語教育でも習うオフィシャルな仮定法のルールです。しかし、日常会話に関して言うと、ネイティブはこれら以外のパターンで、仮定法を使う場合があります。
オフィシャルじゃない仮定法パターンを紹介します。


If節と、その後の節の時制が一致してない仮定法

「もし僕が君だったら、そんなことしなかっただろうね」と、過去の出来事を回想しての仮定法は、「もし僕が君だったら、~」の部分の時制が、その後に続く節の時制と一致していないといけませんが、下記の例の様に、一致してない場合があります。

例: If I had been you, I wouldn’t have done that.
  ⇒ If I were you, I wouldn’t have done that.
(もし僕が君だったら、そんなことしなかっただろうね)

過去の話の仮定法でも、時制が正しく過去に設定されていない仮定法

If I were you, I wouldn’t do that.(もし私が君なら、そんな事しないだろうね)という文なのに、発話者は、過去の出来事を回想しての発言として、使っている場合があります。
大抵の場合、過去の出来事の仮定の話なのかどうか、文脈から分かります。

例: 映画「Kick Ass」で、「If it wasn’t for you, my dad wouldn’t be dead」と表現が出てきます。
時制的には、「もしお前がいなければ、私の父親は死なないでしょう」ですが、
映画の文脈的に、既に父親は殺された後でしたので、「もしお前がいなければ、私の父親は死ななかったでしょう」となります。

※ “If it were not for (人/物) , I would~~~~.”は
「もし(人/物)がいなかったら(無かったら)、私は~でしょう」
という意味の固定表現です。

過去の仮定の場合、”If It had not been for (人/物), I would have~~~.”
(もし[人/物]がいなかったら[無かったら]、私は~だったでしょう)
になります。

If節内のBe動詞が、wereじゃなくてwasの仮定法

wereの代わりにwasを使う人はネイティブでも多くいます。
例: If I were rich, I wouldn’t be working.
⇒ If I was rich, I wouldn’t be working.
(もし俺が金持ちだったら、働いてないでしょうね)

仮定法の文でも、動詞が過去になっていない文

”If I am rich, I will not work.”(もし私が金持ちだったら、働かないな)のように、
時制が過去になっていない文があります。

厳密にいうと、架空な非現実的な仮定はwere,wouldを使う事が適切ですが、
現実的に起こりえる、条件の要素が強い仮定法は、現在形で使われる場合が多くあります。これは、話者の気持ちの問題で、「現実的に起こりえる話」だと思っての発言であれば、動詞が過去形じゃないパターンが生じます。

例1: “If he knows it, he will tell you about it”
(もし彼がその事を知っていたら、それについて君に言ってくれるだろう)

例2: “If she comes to Tokyo, She will meet her old friends.
(もし彼女が東京に来たら、古い友人に会うでしょう)


仮定法は、文法的にオフィシャルなルールをしっかり理解し上で、日常会話で許されている(耳にする)パターンを把握する事で、混乱せずに正しい用法で使えると思います。